昨日(20180603)家内と二人でドライブがてら、神奈川県立近代美術館(葉山)の企画展、BRUNO MUNARIを観に行ってきました。
初夏を思わせる強い陽射しのなか、葉山御用邸の隣にある美術館に到着。海岸線から吹いてくる心地よい潮風を受けながら、中庭のオブジェを横目にいざ美術館の中へ・・・。
大勢の来館者といっしょに、キュービズム的な分解構成力のある絵画作品にはじまり、書籍の表紙のデザイン、とても楽しくなる動きのある機械工作、絵本、厚紙工作、連続的なデザイン構成作品、そして、複写機を利用した作品、コンパスなどを多様した作品など、見事な表現力を目のあたりにしました。
印象的だったのは、非常に哲学的な背景を強く感じたことです。といっても難解な要素はありませんが・・・。
確かに、子供が楽しめるような、リラックスしたストレスレスの作品ではあるのですが、作者のとても深い思考力、親切心、優しさが一つひとつの作品に強く感じられました。だからこそ、プロダクトデザイナーであり、児童教育家であり、家具のデザイナーであったのかもしれません。
表現することの意味。作ることの意味。そして、鑑賞する楽しみの伝道師のような存在を感じる作品でした。作品を鑑賞後、散策をしながら、海岸に降りる小径を抜けるとキラキラと輝く海が目の前に広がります。既に多くの海水浴の方で賑わっていました。
ブルーノ・ムナーリは、イタリア北部で生まれ育っています。伝統的な芸術国家であるイタリアの中にあって、前衛的な未来派運動に加わっていきます。作品は道具との対話でもありました。定規やコンパス、時に複写機がそれにあたります。帰りにショップに寄りました。残念ながら、カタログは売り切れでした。
「芸術家とデザイナー」という書籍を買ってきました。芸術家とデザイナーの違いを彼の見事な分析力、表現に浸りながら、読んでみたいと思ってます。

