アドレア海をのぞむリゾート地のラヴェンナ県、チェルヴィア(CERVIA)。
地図で見ると結構上にあります。えっ、この緯度で日照時間を重視する塩田方式がいけるのか?単純な疑問が沸き上がります。が、そこは雨の少ない気候がモノを言います。
塩づくりの話です。
どこの国にも塩の道があります。海と山の物流ロードです。ここチェルヴィアも古代ローマ帝国時代からの塩の街。ここから、内陸に塩を運んでいたようです。
塩は「お金」を意味した時代です。
ここの塩は特徴があります。
Sale de dolce 「甘い塩」と言われています
写真、塩田の夕暮れ、とても優雅でオレンジ色に変化した太陽が残像を映しながら沈みゆく時間がゆっくりで綺麗でした。また、ファンゴ(土)は、温泉などの成分が含まれていて、美容に良いらしいです。さらに空に目を向けるとフラミンゴの群れが舞っていて、風情抜群。
さて、なぜ、甘い塩なのか?
ここの塩田、自然の力での製塩です。
つまり、海と太陽のパワーです。科学的な洗浄や乾燥などをせずに海の豊穣なミネラルを大切にして、作るわけです。ですから、塩化ナトリウム以外の成分が含まれ、それが甘みにつながっているのです。といっても、食用の塩は全体のうちの僅かのようです。夏は固まった塩田の上を歩けるとガイドさんが言ってました、夏にもう一度来てみたい心境にかられました。
イタリアの塩の話でした。
塩の博物館にはかりがいくつか陳列されていました、時代ものですね。天秤型から針のものまで。同じく古い電話もありました。日本の昔の電話とどこか似てました。
ちなみに、日本の塩づくりの歴史については、塩田というと瀬戸内のイメージです。塩づくりには様々な方式があるようですが、時代時代のニーズで随分と変化してきたようです。結局、塩の価格安定、生産性の標準化などから、天候に左右され労力のかかる塩田方式はなくなっていったようです。