私は「悪人」である。
直ぐに他人の欠点を探すし、悪口を叩く。自分さえ良ければいいのだと思う、ケチで身勝手で小さな男である。さらに、怒りっぽいし、奇麗な女性を見ると振り返り、それでいて臆病・逡巡だし、勉強嫌いで怠け者。朝寝坊で時間があれば酔っぱらっている。心のなかに神も仏も存在しないから、信心の欠片もない。好きなものは何ですか? こう聞かれて正直にキラキラした大きなダイアモンド、こう答えてしまう(苦笑)。あとは、悪の代名詞、美味いモノに弱い。高価な衣服も好きと来たから、まぁ、最悪な人間だ。
さてさて、このダメな部分が多い私だから「経営」が私利私欲になりがちだ。
そこで、注意深く「善」を施さないといけない、その発想をもつ。いつも考える、これで良いのだろうか? 悪人には善が分からないから……。
たとえ、中国が台湾を武力攻撃して、日本が巻き込まれても。北朝鮮が米国にミサイルを撃ち込もうと、根室にロシアが上陸しようが、会社をつぶす訳にはいかない。したがって、CF、変動費と固定費のバランスに注意をはらう。だからといって、普段がビクビク・ケチケチではいけない。それになりに満たされていないとならない。心を穏やかに優しく「善」でなくてはならない。公平でなくてはならない。
ナントも難しい命題だ。
そこに成功の方程式はない。社会の先々の変化を読み取り、適切に舵を取らなくてはならない。それがビジネスモデルを強化することなのだ。
「悪人経営者」で「ビジネスモデルが弱い」、いやいや不安に思うかもしれない……。
取引先の決算書を入手し、取引を中断した企業も多くある。自分が常に正しい、超善人と思っている経営者の決算書に限って役員報酬が他にくらべて異様に高かったり、福利厚生費用、採用教育費が少ない。退職積立金がなかったりする。う~ん。
そこ(決算書)に経営者の性格が見えるからだ。自分のことだけしか考えていない。あるいは、無謀な経営は長持ちしない。保険不足や引当不足はまだ良い方だ。そのような企業との取引は、売掛金が回収できなくなること必須。その環境から身を守る必要がある。ここは逆に「悪人経営」だからこそ、分かることだ(笑)~