■経験知とチャレンジ
私は大きな間違いを犯しているかもしれない。
リノベで高級路線を模索中だが、「高級」・「バリューアップ」への知見が乏しい。
リッツカールトンに泊まったことがない人間に、あの間仕切の和モダンデザインをテーマに議論したところではじまらない。知らないということは語れないとのことだ。
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靴の普及していない国々に靴は売れるのか?
テレビの普及していない国々にテレビは売れるのか?
普及していないとのことは必要性がないから「売れない」。
普及していないからこそ、「売れる」。
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以前、ウォシュレットをヨーロッパの国々に普及させようと意気込んでいた知人がいた。途中、話をうかがうと、トイレの形状が様々あって標準化されていない、電源の問題、水の問題……。それら問題点のなかで、文化の問題というのがあった。「良さが分からん」というのだ。日本人からすると首を傾げたくなる要素だが……。そうらしい。過剰な設備に意味はないとの文化。伝統こそに価値をおくヨーロッパならではだ。
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リノベの路線については、チームワーク、役割分担が大切になる。高級路線とて同じだ。ヴァリューアップが買い手に通じる内容かどうかに過ぎない。ただし、根っこに必要な「意識」は、情報を整理する、深く、深く考える。そして学ぶ姿勢。このことに変わりはない。
我、抜ける髪の毛を見て、
「あぁ、また、こんなに抜けた~」と思うのか、
「抜ける髪の毛があることを喜ぶのか」、ま、そんなことだ。チャレンジできる喜び。