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■プログラミング

 

大掃除をしていたら、昔のテンプレートが出てきた。長いシステム設計の経験を思い起した。

最初に行ったのが、機械制御、NC制御のプログラムだった。3次元で鉄やアルミを加工する。多軸で刃物干渉のないように、粗削りから仕上げまで軸の回転や送り、複数の刃物を制御しながら、モノを作る。三角関数がメインだった。1年間、朝から晩まで休みなく油にまみれた。周囲は中卒の工員が多かったので、数学を伴う制御プログラムを私が担当した。航空機部品は厳しい品質を求められた。

 

次は主にアセンブラ。モトローラ、ザイログ、インテル。8ビットだ。そこから、16ビットアセンブラに進んだ。マクロアセンブラだ。PDP-8、PDP-11、VAXといったDEC社のもの。コンパイラもビット操作付きのものだ。大型のグラフィックパネルの制御。画素を切って、文字を起こし光らせる。地道な図形処理だ。CADもカーネル部分を設計した。インストラクションオーダーという概念があって、命令にかかる時間が書かれた早見表をポケットに入れて、タイムチャートを頭に描いて、適切な命令(時間管理PG)を書いていく。パッチも当たり前で数字だけでずっとデポジットする。恐ろしく頭脳を使った。そして、Cネイティブ。当時、マシン室は禁煙ではなかった。タバコの煙で8インチフロッピーディスクドライブが良く故障した。紙端末。ASR端末。

 

夜中にハウスマシンの端末を5台ぐらい自分のID(クローン)でログインして、これはソース修正用、これはコンパイラ用、これはデバッグツール用、これはエグゼ生成用、これはスナップショットダンプ解析用として定義して、シーケンスを組んでデバッグのマイ自動化工場を試みた。社員の中で圧倒的に生産性がトップになった。帰宅すると、一部上場企業の副社長から電話がくる、すぐに現場に出てこいという、メチャクチャ働いた(笑)。気づいたら事業部の責任者。

 

次がUNIXと汎用大型機の図形プログラム。この時代のソフトウェアはハードウェアの付録だった。ここで図形処理を本格的に行った。生まれた初めて数学を本気で勉強した。写像、行列演算、多項式などなど。周囲で最も多かったSEが東大・阪大数学科大学院の出身者。INとOUTを押さえて、鵜匠(リーダー)に徹した(笑)。アン王女が見学に来た時のデモプログラム部分のデータを作った。PL/1、COBOL、FORTRAN、M(32ビット)アセンブラ。3次元のオブジェクトの概念(GKS、PHIGS)。マッキントッシュを評価して、操作性の研究、また、マウスを設計。マニュアルは全て英語。マシンの裏で良く寝た。暖かい風がファンから出て、ファンの静かな周波数が子守歌に聞こえた。

この頃、図形挿入可能なワープロ(OHP用)を空き時間を利用して自作。会社に提案。500円の図書券をもらった。数か月後、会社がそれをパッケージで売り出していた(笑)。図形のデータ標準に関わった。文字もストロークだった。ロケットのシミュレータや衛星データのプロセッサを設計。1億円のディスプレイ。電子銃で打った管の時代。VTAM(ネットワーク)のデバッグで3日間完全徹夜。

 

それから、医療機器、マルチメディア、ロボットなどなど。インターネット上での初GIS。北九州からCD-ROM600枚を預かってきて、1データに仕立てた。「北海道から沖縄までネット上でスクロールさせます」、こう言った。カナダのGISソフト、画面は英語(笑)。信ずる人がいなかったので、サブスクの独占契約をした。後日、「破棄して欲しい、意味を知らずに契約した」と言われ、騙してまで金儲けをしたくないから、会社に内緒で書類が紛失した(もう時効(笑))。担当者全員行方不明(💦)。

 

情シスの地位をあげるため、100%PureJava認定日本の第1号(2号3号はIBMとかテンアントニー)取得。日経system大賞の1回目と3回目。マルチメディア表彰など、対外的な評価から、内部評価の向上を戦略とした。新規事業担当でゲーム開発。ソウル大学出身者のベンチャー企業とマンションのインターネットインフラ機器の合弁会社、機器開発販売……。失敗、反省。

 

この経験からOS、言語やフレームワークを知らないからといって、設計できないことはない事を知っている。問題はどこまで業務自動化や操作性など利用者リテラシーを設計できるかだ。また、社内業務とて同じ。あくまで、付加価値、数理モデルの設定で「あれを買ったヒトはこれを買うなど(アソシエーション分析)」業務課題を打破してほしい(笑)。

 

良いシステムの定義は「役に立つシステム」、「仕組のモデル化のあるシステム」ということだ。コンピュータの得意技は誰が使ってもキレイとか、大量の中から選択するとか、計算が速いとか、そういう時代からクリエイティブな時代に入った。建物の自動設計もそろそろ次の段階にもっていきたい。

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