■奇跡の瞬間
若いころの話です。時間が経っても鮮明に蘇る記憶があります。
徹夜明けで箱根を越さなくてはならなくて、交通事故を起こしたことがあります。箱根の坂をブレーキなしで崖から落ちました。一瞬、居眠りしたのです。幸い、他の車を巻き込まず、単独の事故でした。
車は大破。買ったばかりの新車が一瞬で廃車でした。
奇跡的に顔面打撲、少し顔を怪我したぐらいで、逆さまになった車体の窓から脱出しました。
なぜ、あの箱根の曲がりくねったカーブの続く、その崖から落ちて助かったのか?
実は不思議なことが起こったのです。
車が宙にフワリと浮いて、そのとき目が覚めて、「ハッ」としました。
で、唯一、柔らかい土盛りしている場所があって、そこにドスンと運ばれた感じで落ちたのです。あまり、言ったことがなかったのですが、不思議な体験でした。
「無くなった命だと思ってしっかり」とか、
「二度めの人生」とか、
いろいろと囃し立てられました。
でも、その体験は凄くインパクトがあって、私の考え方が変わりました。
つまり、なるべく真っすぐ、そして、社会的に生きようと思ったのです。
ま、あまり、そうなっていませんが……(笑)、箱根に行くたびに思い出します。あのときの事を。
恐らく、超・波乱万丈の人生の十字架を背負った瞬間だったのかもしれません。
皆さん、そんな体験ありませんか?