■井の頭弁財天
井の頭公園の池の畔にひと際鮮やかな赤が目を引く弁財天がある。
御利益は「財」と「才」。そして、「縁」。
その昔、井の頭公園は「別れ」の公園と呼ばれていた(今は知らない(;^_^A)。
一説によると、この女性の仏様が嫉妬して、別れさせるとの噂。
真偽を確かめる術はない。
最近、お化粧直しで鮮やかになったことから、この説は当面的を射ないことになるだろう。
この井の頭弁財天、寺院であって神社ではない。ですから、参拝もパンパンやらず、静かに合掌して祈りをささげることになる。屋根もご覧のとおり神社特有の千木などない。
さて、弁財天で有名なのは、お市の方。信長の妹で浅井長政の正室である。三人の娘がいずれも歴史に登場する。長政が信長に敗れるとき逃れ、本能寺の変の後に柴田勝家に嫁ぎ、豊臣に滅ぼされ自害したお市から、豊臣に庇護され後の淀殿になった、茶々。このとき手渡されたのが弁財天像だ。琵琶湖の弁財天を主寺とする浅井家の本尊。
そして、大阪城落城の際に淀殿から妹の初へ。そして、後の徳川家に入る三女のお江。そのお江の5女で武家出身では初めての朝廷に嫁いだお市の方の孫にあたる和子(まさこ)。東福門院和子によって、淀殿とお江によって建立された養源院で豊臣家の供養、浅井家縁の人々の供養がなされている。歴史の巡りでしょうか。
歴史舞台を駆け巡った女性たちの戦い、その彼女らを守護してきた弁財天。公園の中でも異才を放つ建物だ。
お天気の良い日に金運アップと縁結びのスポット、井の頭弁財天に足を運んでみてください。