■セレンディピティ
一世を風靡した言葉である。
偶発的に発見に巡り合う能力とでもいうのだろうか。
クリエイティビティ
こちらは天才には必須のキーワード。
セレンディピティは成功者、開拓者のキーワードだ。
これらのキーワード、自ら放棄していないだろうか?
点検が必要だ。
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世間様に見られたら恥ずかしい行為をしていないか?
いつだって言い訳して何かを他人のせいにしていないか?
・・・
こういう幸運を運ぶ上記の2つのキーワードをゲットする人もいれば、
相反して、これらのキーワードを放棄するような行為をして、運を逃す人。
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強い企業の代名詞は財務力(収益力)。
黒字でも倒産する。資金繰りが命だ。銀行も返済能力の怪しい企業には貸し出すことはない。
借入は信用がある証拠。事業の先がある証拠。
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創業3年で資金が底をついたとき、アチコチの銀行に借入相談にいったが、(当たり前だが)どの銀行にも相手にされなかった。
最も大きな銀行は信用保証をとってから行ったが、窓口の女性が書類を受け取ることはなかった。
「こんな、つぶれることが見えている会社(1億円近い負債があった)に貸せる訳がありません(整ったお顔で美しい唇から飛び出た言葉)」きっぱりと言われた。
ずっと、執拗に粘ったがダメだった。悔しさが込み上げてくる。重い足取り。帰り道、様々なことが頭を過ぎった。
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そもそも、大手企業を退社するとき、ヒトも販路も商品もノウハウも何も持たずに、白紙での起業だったから、事業を確立するまで情けない話だが、増資と借入で繋ぐしかなかった。
しかし、こんな危うかった会社と私を救ってくれたのは、過去のお付き合い(知人たち)だった。
金策に疲れて、目の前の電車に飛び乗った。
「沈む船には一緒に乗れない」、そう言って社員は次々に退社。残ったのは私を含めて3人。
この窮地を救ってくれたのは、飛び乗った電車に偶然に乗っていた知人だった。
「どうしましたか?(きっと青い顔をしていたのでしょう)」
「いや、実は……」
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その知人は、超がつくほど優良な上場企業の中堅社員だった。
社長に会わせてくれるという、バラ色の事業計画書を説明した、何の質問もない。
「分かりました、配当が楽しみです」
一言、こういって出資してくれた。
実は、電車で会った知人の上司であり、この企業の取締役で関連子会社の社長が大学の同級生(同じ学部の同じ学年)だった。
彼が出資を応援してくれた。
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飛び乗った電車で会った偶然。
その会社の上級幹部が同級生だった偶然。
創業3年、朝5時から休むことなく働いて、自身の給与を無くして働いて、一生懸命が繋いだ幸運だったかもしれない。
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だが、甘えてはいられない。
さらにイノベーション+PDCA!