■「虚偽」・「癒着」
企業の中には、その立場によって、自ずと【行動規範】が違ってくる。
特に「曖昧な情報管理」や警察的立場と泥棒になりやすい立場の「癒着」には注意を要する。
(取引先との利益相反などなど)
いま、世間を騒がせている事件もこの類である。
これは大手企業に限ったことではない。
むしろ、中小企業のコンプライアンスは脆弱だから、個々の良心に委ねられている部分も多々あり、危険にさらされている。
やっていいことと、自制しなくてはならないことの境界のなかに、
誰にも見られていないからとか、このくらいならという、欲望が介在してくる。これがコンプライアンス最大の敵である。
良く発生する代表的な不正にキックバック(業者から金品をうけとる)がある(①)。
また、会社を代表する役員の見られては、非コンプライアンス行動も控えるべきである(②)。
いずれも、監視役は監査役を筆頭に管理部門の上層部である。①でテレビを賑わすのは部門長や経理担当が圧倒的に多い。その立場を利用して私服を肥やすのである。
②は反社会的勢力との関係だ。
これを取り締まるのは管理部門の上層部である。いわば、企業内における、泥棒候補と「警察・検察」の関係だ。
したがって、警察と特定の泥棒候補が、仲が良すぎるのは、注意が必要だ。
経営陣としては、注意すべき行為であり、できれば控えるべきである。「癒着」の原点になり得るからだ。
同様に「情報管理」も重要である。
役員は企業秘密を持っている立場だ。軽々に秘密を話してはならない。インサイダー情報の多くはこうして脇の甘い役員から流れることになる。
②は語るまでもない。コンプライアンス、ガバナンス、ハラスメント……。
会社をつぶすには充分な情報化社会である。
企業規模に応じた行動規範と管理体制が求められている。