■スポーツに学ぶ、人財育成
駒澤大学の駅伝三冠連覇王手は、見事としかいいようがない。
小さい頃、陸上やバスケ、サッカーといったスポーツ少年だったことから、老いた今は、駅伝観戦を楽しみにしている。この日曜日(11/5)に開催された全日本大学駅伝も楽しくテレビ観戦させてもらった。
その流れを観ながら、つくづく、どうしたら、このような選手層の厚いチーム育成ができるのだろう? そのプロセスや要素を考えていた。
ビジネスにも共通すべきことがあるからだ。
社員育成ほど、難しいことはない。そもそも、「勝利」を目標にするスポーツに比して、数多の目標をもつ、サラリーマンの基盤は多様だ。企業理念すら共有化しづらい。
簡単にいうと、企業社会は、ムチの世界では一丸となりにくい(笑)。
企業理念など、どこ吹く風。社会の役に立つとか、顧客第一など、社員一人一人の生活のなかで立ち位置を失う。
本来は【人間力】との点でスポーツとビジネスは同じはずだが、創意工夫や結果コミット責任において、中小企業は未整備だ。組織力、評価システム、モチベーションしかり。この【ブランド化】、【独自性】課題にどうアプローチするか、常々、考えることになる。
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小学生にとって、早く走れることは、頭がいい子より、人気が高いことは言うまでもない。運動会で最後のプログラムになるリレーの選手はあこがれである。
このプリミティブで誰もが平等に行うことができるスポーツ、「走る」、「跳ぶ」……【陸上】。
特に、昭和の時代は混乱期でもあり、変革期・成長期でもあり、メディア不在の田舎社会においては、「走る」ことは、格好のスポーツであった。
言い換えると、それしか、やることがないのだ(-_-;)
駅伝力というのは、陸上競技力とは、異質のものである。確かに、1万メートルのトラック記録は参考にはなるが、大会では両者は相関を易々と裏切る。
さて、「全日本大学駅伝」、名称にクレームをつけるつもりはないが、熱田伊勢駅伝というのが、正解だろう。これは以前から思っていた。青学の原監督と同意見だ。日本一、日本での順位を決めるものではない。関東で予選落選した、明治大学でも法政大学でも出場したなら、10位前後の力は充分にあるからだ。
このように、日本一が歪んでいるイベントやランキングはたくさんある。そもそも、ランキングの母集団が皆不明だ。母数もいい加減。メディア時代だから洗脳されがちだが、偏差値が大学の学力と勘違いされているのと同じだ。
要は、多様性の時代だから、グルーピングやランキングにとらわれず、自分の目的意識、お気に入り、自分との相性を大切にすべきである。