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力と交換様式 読書感想

■柄谷行人  Karatani Kojin

以前から、哲学書や思想書を良く読んでいたため、今回、400ページに及ぶ柄谷氏の書籍【力と交換様式】を読むことで、活字を追いかける面白さに加えて、未来を考える楽しみを得た。

一言でいうと、2010年【世界史の構造】を再考した書籍である。

マルクスの「資本論」やエンゲルスなどの仕事を詳細に分析、マルクス自身、気がつかなかった後期の言論から、「交換」を構成の軸として論理を展開している。

 

交換様式を

A「呪力」 贈与と返礼(互酬)、

B「権力」 服従と保護(略取と再分配)、

C「資本」 貨幣と商品(商品交換)、

D「新しい(観念的・宗教的)力」 Aの高次元での回復、

の4つで区分し、この交換様式から生まれる「力」と人類史を再考、柄谷流の思想体系を説いた書籍でとなっている。

 

結局、では、今後どうあるべきか?

未来につなげる考え方。ここが読み手である私のスタンスである。

共産主義を「ユートピア」としたとき、1848年の革命の失敗以降、

その実現を「古代社会」に見出そうとしたマルクス、

「原始キリスト教」の“何か“を回復するものとして見たエンゲルス。

どちらの仕事も、柄谷氏は交換様式Dに帰結させている。

 

最後の締めの言葉を引用しよう。

『そこで私は、最後に一言いっておきたい。今後に、戦争と恐慌、つまり、BとCが必然的にもたらす危機が幾度も生じるだろう。しかし、それゆえにこそ、“Aの高次元での回復”としてのDが必ず到来する、と。』

 

ただし、Dの到来は、本書で何度か出てくるが、「向こうから」くるものと言っていて、そのことが「神」と言わないまでも、霊的で神秘な帰結になっていることが気になるところである(笑)。

興味を持った方は、是非、一読してみてください。

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