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ラオコーン
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ダヴィデ像

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■失敗できない削り出し

彫刻といっても創造方法は様々です。石膏、粘土、土などをコネてペタペタと塊を組み上げる方法は足算的手法ですが、石や木などを削り込み、目的の作品に仕上げる方法は引算的です。

ミケランジェロのアプローチは言うまでもなく、大理石の塊のなかに掘り出すべき対象を見いだす引算方式です。

何年もかけて少しずつ根気よく大理石と向き合うことになります。彼は絵画にも建築にも道具作りにも卓越した才能を持っていたようです。が、あくまで「彫刻家」にこだわったことが理解できます。失敗の許されない方法での作品を作りだすからです。やり直しの効かない方式で完璧を目指す手腕。見事としか言いようがありません。西洋美術史のトップに君臨する、まさに神・芸術の世界です。

■ダヴィデ像

有名な1504年完成のフィレンツエ共和国の象徴ともいえるダヴィデ像(世界中にレプリカがあります)は、彼がまだ20歳代のころの作品です。5メートル以上ある石の塊を自ら大理石の採掘場にでむき、運び、削り出した作品です。

私はフィレンツエでレプリカを見ました。アカデミア美術館に本物を観に行く時間がなかったのが悔やまれるところです。

今回、上野で開催されている展覧会は、「ミケランジェロと理想の身体」。

目玉の作品は2点です。「ダヴィデ=アポロ」と「若き洗礼者ヨハネ」です。

写真はダヴィデ像。今回、写真撮影がOKだった「ラオコーン」、そして、ミラノで撮影した作品を掲載します。

上野公園で涼をとりつつ、ミケランジェロの芸術作品にふれて見てはいかがでしょうか?

 

 

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