株主資本配当率(DOE:Dividend On Equity ratio):企業が株主(自己)資本に対してどのくらい配当を還元しているかを表す指標だ。
配当性向というのは、その年度の純利益から、どのくらい配当に回しているのか?
30%ぐらいが適切という、内部留保や投資も重要だから、そんな感覚だ。
配当性向は、あくまで、その年度に閉じた指標である。
DOEとなると、自己資本・純資産に対して、どのくらいの割合で株主配当に回しているか?
似ているようで少し違ってくる。大企業の多い東証プライムあたりで、3%ぐらいが多い。
例えば、その年の純利益が3000万円だったとする。
で、自己資本が15000万円。発行済み株式数が1500株。
これでいくと、
配当性向を30%とすると、3000万円の30%で900万円が配当原資になって、900万円÷1500株で、一株あたりの配当額が「6000円」になる。
一方、株主資本配当率となると、
配当総額÷自己資本だから、900万円÷15000万円になり、6%がDOEになる。
どっちが聞こえがいいか、当然、DOEだ。
株価を置き去りにしてしまった。未上場だと、若干つまらない議論になるが、自己資本÷発行済み株式数で、1株、10万円としよう。
10万円の投資で6000円とのことだから、こちらも、たまたま6%。年利だ。
ROSでいうと、また、違ってくる。
経常利益÷売上高 だから、純利益は税引き後なので、税金や特損(利益)を考慮しているが、税前で4600万円の営業(経常)利益としよう。
売上が10億円。したがって、ROSが4.6%だ。
これも業態によって、数字が変わってくる。卸などは、3%ぐらいだ。
せめて、ROSは10%にしたいと考える。
そんな数字で経営をはじいている。
たとえば、
10億円の売上で営業利益を1億円。
ROSで10%、純利益が6000万円程度。
配当性向を30%として、配当総額が1800万円。1株配当で12,000円
DOEでいうと、自己資本が2億円ぐらいになるので、自己資本利益率(ROE)が30%。
ROE×配当性向(30%)でDOEは9%。配当総額÷純資産でも、もちろん、9%。
やっぱり、DOEが聞こえがいい。株価も上がっているけど、投資利回りとしては、グリコだから、
嬉しい投資になる。
ま、こんな経営を目指している(笑)。