・楼門
明治時代、東京駅や日本銀行本店など多くの建築物を手掛けた近代日本建築のパイオニア辰野金吾博士の楼門(1914年、重要文化財)を佐賀武雄温泉に見に行ってきました。
釘を使わず丁寧な職人仕事がロマンチックな文明開化のにおいを醸し出していました。
・話題の干支の絵柄
もちろん、話題の干支の彫り絵も確認しました。確かに、天井四隅の杉板にはネズミ・ウサギ・ウマ・トリの四つの彫り絵がありました。1914年竣工の東京駅ドーム天井のウシ・トラ・タツ・ヘビ・ヒツジ・サル・イヌ・イノシシの八つと合わせて十二支となります。
なぜ十二支を? この部分には興味津々です。
写真は天井杉板に彫られたウマです。ここからは推測です。おそらく、相撲好きの辰野博士、相撲のつり屋根の四方にある「房」の発想を持たれたのでは?? そう考えてしまいました。
つまり、相撲の四隅に配置された房の色は、天空の四つの方位を司る神、東の守護は青房の青龍、西の守護は白房の白虎、南の守護は赤房の朱雀、そして、北は黒房の玄武。
この土俵つり屋根の守護と建築物の守護(堅牢さ)を重ねたような気がしてなりません。なぜならトリは鶏の図柄ではなく、まさに、鳳凰のような豪華さがありました。
それから、現地で明らかになったことは、この楼門、計画段階では三つの建築物の予定だったとのことでした。残りの二つ建物の四方に干支を四つずつ配置して、合計で十二支を完成させたかったことは想像に難くないことです。ガイドさんによると、一つ目の門で思った以上に費用が掛かり、残りの二つを継続できなかったとのことです。
思わず、「う~ん、有りがち!」と心の中で叫びました。
・武雄温泉の古い建物
門の先に進み、昔の武雄温泉・銭湯の建物を見学しました。銭湯は綺麗なタイル張りで、浴槽は結構深く、ここの屋根は、東京駅の八角形と同じように見事な作りでした。休憩場もご覧のように昔の大広間の良さが伝わってくる建物でした。

宿も素敵でした。食事のときに見たことのない海苔の道具が登場。
・海苔の乾燥
これです。
鍋島のお殿様気分ですが、海苔を乾燥を保持させながら食するという優れものです。下に小さな炭が入っていると思ってください。蓋もあるのですが、蓋をとって、海苔が見えている状態で写真を撮りました。流石、有明!